当院と一般的な治療院の比較
一般的な治療院と当院を項目ごとに比較すると、下図のような違いがあります。
他院 | ![]() | |
---|---|---|
資格 | 無資格・民間資格 | 理学療法士 |
担当 | 日によって変わる | 担当制 |
頻度 | 週2回~ | 週1回 |
期間 | 6か月~1年 | 3か月~6か月 |
料金 | 5,000~6,000円 | 8,800円~11.000円 |
予約 | 予約優先 | 完全予約制 |
待ち時間 | 30分前後 | なし |
このような差が出る理由をお伝えします。
根本改善ってそもそも何?
治療院にも色々な種類があります
「接骨院(整骨院)」「鍼灸院」「整体院」といった名前が多いと思います。


働いている方が持っている国家資格で考えると
接骨院:柔道整復師・民間資格・無資格
鍼灸院:鍼灸師
整体院:民間資格・無資格
という場合が多いです。
理学療法士、作業療法士は国家資格ですが保険を使った開業権がないので、
開業する場合は当院のように「〇〇整体院」です。
私は理学療法士として勉強して資格を取得し、病院勤務をしていたので、一般的に自費の治療院を経営している方や働いている方とは考え方がかなり違います。特にこの「根本改善」という言葉のとらえ方が最も違うポイントです。
一般的な接骨院・整体院の施術方法
大きなグループ院ほど顕著なのですが
「根本改善に効果があるとされる方法を繰り返す」
~~整体の種類で紹介した方法や、そこから派生した方法など~~
(私が今までお会いした数百人の方の印象なので反論はあると思います)

これは沢山いるスタッフに教育する際に、最低ラインを保証して均一なサービスを提供するという点で、とても有効な方法なのですが、患者さん個人ではなく「病名」とか「症状」といった現象に対して施術を行っているだけなので、広い意味では湿布や痛み止めと変わりません。
ただ、治療法自体は効果が確認されているので、「あなたの悩み」が「その院で行っている治療方法」とあっていれば問題ありません。
中々自分に合う治療院が見つからなく困っている方のほとんどは、このミスマッチが原因です。
一番の問題は、悲しいことなのですが、施術方法だけが独り歩きして「治療はこういうもの」と考えることを放棄して、特定の徒手療法をただ繰り返している人が多いということです。
私は技術セミナーの講師もしているので、よく質問されるのが
Q:「坐骨神経痛に効果のある治療法を教えてください」
という感じで、、、、
A:「そんなものがあったら苦労しません!!」
と若干不機嫌に返してしまいます。(質問してくださる方、申し訳ありません)
WEB上には「ここを施術すれば解決します」「ここを治してあげてください」というセミナー広告が溢れかえっているんですが、どうしてあんなに自信をもって言い切れるのかが疑問です。
その辺が高頻度で長期間の通院が必要な理由かもしれません。
当院の施術方法
当院の施術法というよりは、患者さんのお悩みとの向き合い方です
- 悩みの原因を調べる(問診・検査)
- 出てきた問題点から原因がどこかを考える(統合と解釈)
- 考えられる原因に対して、効果的な施術方法を試す(プログラム立案)
- 施術結果から原因を再考察し適宜変更する(実施)
- 改善するまで①~④を繰り返す

という流れで行っています。これは私の考えというよりは、理学療法士なら誰でもやっていることです。
私が学生とか病院で働いていたころは、この考え方を今だったらパワハラで訴えられるくらいの感じで叩き込んでました。
当院では「マイオチューニングアプローチ」(次の項目で説明します)という考え方で施術は行っていますが、必要に応じて最善の方法が選択できるようにしています。
一般的な接骨院、整体院の場合だと
- 問診:とにかく聞き役に徹する
- 検査:どんな方が来ても初診時にやること症状別に決まっている
- 治療:症状別に決められている、もしくは「〇〇の歪みが根本的な原因なので治しましょう」
という症状別のマニュアル通りに行って終わりです。
③に関しては、技術の差がかなりあって、私が見ても「上手いな~」という方はたくさんいらっしゃいますが、⓵~③がつながっていない場合が多いですね。
マイオチューニングアプローチ(Myo Tuninng Approach)
当院では「マイオチューニングアプローチ」という考え方に基づいて施術を実施しています。

MTAとは?
MTAは、筋(myo)を調整(tuning)するアプローチであり、神経生理学的現象を利用して主に筋が原因(稀に皮膚から皮下組織)で生じる症状を改善するアプローチである。目的は筋緊張を調整することにより、「痛み」「痺れ」を改善し、関節可動域(Range of Motion:ROM)や運動能力を向上させ、ADLおよび生活の質(Quality of Life:QOL)を高め、精神的苦痛を和らげることである.
実際にMTAを実施することにより痛み、痺れ、筋緊張の異常などが著明に改善し、筋力、筋積分値および関節可動域が増加している。また、整形外科疾患、内科疾患および脳血管障害による運動麻痺などの中枢性疾患まで、幅広い適応が認められている。
筋触察により患者様の訴えている症状が出現する部位を探し、再現症状を抑制部位への触圧覚刺激によって改善する手技である。また、症状を改善しながら施行する運動療法によって、筋の収縮機能および伸張機能を最大限に活性化させる自動能動的な治療アプローチでもある。
引用:日本マイオチューニングアプローチ学会より
日本MTA学会 理事長 高田治実

医学博士・理学療法士・臨床福祉専門学校理学療法学科 顧問・帝京科学大学 東京理学療法学科教授・日本理学療法士協会 理事・日本MTA学会 会長・東京都理学療法士協会 副会長
(推薦分ありがとうございます)
施術の流れ
①症状の原因となっている筋繊維を特定する
「筋肉」ではなく「筋繊維」‼
筋肉の構造は右の図のように
「筋肉」ではなく「筋繊維」‼
筋肉の構造は下の図のように
筋肉 → 筋束 → 筋線維 → 筋原線維
というように細い繊維が集まって構成されいます
本当に悪いところは筋肉の中の筋線維という細い繊維のごく一部です。
この1本1本のどこに問題があるかを見極めて施術を行うことで、効果的を高めることができ、また改善までにかかる期間を大幅に短縮することができます。

②疼痛を抑制する
人間に備わっている痛みをその場で軽減することが出来る機能を2つ紹介します。
『大声を出す』子供が大声で泣くのはこれが理由です。
それ以外にも大きな声を出すと脳のリミッターを一部解除できるので、普段より大きな力を出すこともできます。
オリンピックで「重量上げ」や「やり投げ」の選手が叫ぶのはこれを利用しています。
『触る』痛いところを無意識にさすったり、抑えたりしたことはありませんか?
これは触圧覚できるを刺激することで痛みを抑制する「ゲートコントロールセオリー」という機能を利用しています。
子供のころに1度はお母さんがやってくれた、痛いところを優しく触って「痛いの痛いの飛んでいけ」で不思議と楽になるあれです!
MTAではこのゲートコントロールセオリーを用いて
⓵で見つけた筋線維の痛みを抑制します。
この時にしっかりと原因となっている線維が見つけられないと効果が得られません。

③正常な筋活動を再学習する
原因を見つけて疼痛を抑制してからが本番です。
痛みに感じ方は人それぞれなので、数値に表すはとても大変です。臨床現場では色々は表し方がありますが、当院ではNRS(Numerical Rating Scale)という指標を使用しています。
「NRS:「初診時や治療を開始する前の痛みを10として今はどれくらいの痛みか」を聞く方法」
これを用いて施術の前後の痛みの変化を、①~③をシッカリ意識してMTAを行った場合と、一般的な施術方法を行った場合を比べると下図のようになります。

学会発表などで治療効果を検証する際に用いる「ABAB法」という比較方法です。
「A:MTA」と「B:一般的な方法」を交互に行って、治療効果にどのくらい差が出るか検証します。
このデータは私が「急性腰痛(ギックリ腰)」の方にお願いして、週2回、1回20分の施術を行ったときのデータを取らせてもらったものです。
一般的な方法でも患者さんは結構満足してくれますが、細かく痛みを評価するとあまり減らず、次回来た時には元の状態に戻ってしまっています。
MTAは施術の前後で患者さんが実感できるくらい明らかな疼痛の軽減があることに加えて、次回まで施術の効果が継続しています。
④施術効果を維持するためのセルフケアを習得する
どんなに施術後に状態が改善しても「右肩下がりにどんどん良くなっていく 」ということは残念ながらありません。
施術効果を高めて「期間を少しでも短く」「通院回数を少なく」するためには自主トレをしっかりやることが必要です。
当院では「セルフケア」を正しく行えるになるための指導もしっかと行っています。
どんな体操が必要かは人によって変わってしまいますが、紹介している3つの方法は是非習慣にしてください。
1日も早く元の健康的な生活が取り戻せるように頑張っていきましょう。